今日は祭日。佐助ヶ谷はあいにくのお天気にも関わらず
沢山のお客様にご来店いただきました。ありがとうございます。
サスケストアは”三浦半島の食材”通じ、”自然との共存” ”時代の今”を
私なりに表現したいと想いオープンしました。
お野菜を販売し始め、多く寄せられたご質問は、「これは無農薬野菜ですか?」
「このお野菜は有機野菜ですか?」という2点でした。
サスケストアのお野菜をセレクトする上で重視しているのはお野菜の”美味しさ”も、もちろんですが
それを生産されている方々の人柄も大切にしています。
私は上記のご質問に簡単に答えられるほどの専門家でもありませんし”毎日”
自然と向き合いながら美味しい野菜を生産することは並大抵な事ではないと考えています。
(そもそも”美味しい”は人によって感じ方が違うし・・・と思っています)
サスケストアのお野菜を支えていただいている”百姓”高梨雅人さんのブログに生産者の方の
考えるスタンスが綴られました。高梨さんの許可をいただき引用させていただきます。
以下、高梨さんのブログから・・・
今日は比較的穏やかな天気でほっと一息。いくら肉体労働者とはいえ、寒いなかでの作業はなんだか体が硬くなるような気がします。かといってあまりぽかぽかしてくると、眠くなってしょうがないし、あまり快適な状態が続くとだらけてくる。
私の畑で、何ヶ所からは富士山が見えるのですが、この時期南西、北西にかかわらず富士山が見える場所での風は冷たいったらない。最近では6日の土曜日が寒かった。三浦では相模湾が見下ろせる場所がそうですし、私の知っている範囲では房総の館山、伊豆半島の沼津のあたりは西よりの風は寒い。ところが、西側に木や山(三浦で山といってもたかがしれていますが)があって富士山の見えない畑は、相対的に暖かいのですよね。直売所反対側の畑から見る風景は、富士山が見えない代わりにこの写真のような感じで、見慣れているせいか落ち着きます。
今日は、こだま舎の方々が畑に見えて、案内をしました。いわゆるこだわりの農産物を横浜市内で宅配事業をされているそうです。事業のほうは色々大変だそうですが、とても意識の高い人達でした。そういう人達に対する私はというと、これといって「ほら」と差し出すようなものがなくて、せっかく見に来ていただいても申し訳ないようが気がします。
今どき、農業経営者としては自分のやっていることをきちんとアピール出来ないといけないのですが、私の場合やっている本人もよくわからないような状態です。これといって「○○農法」です、と提示するようなものもなく、本当にふつうにやっています。生産物の安全性という面で見れば、いわゆる慣行栽培も、有機栽培も正しく行っていればリスクに差はないという立場です。ただ、環境に対する負荷という面では、いわゆる有機栽培のほうが負荷は低いと思います。私自身、環境保全型の農業を指向していますが、あまり原理主義的な方向とは距離を置きたいという立場で、使える技術はすべて候補に挙げて、その中から現実的なものを取り入れるやり方でしょうか。
自分の感覚もあまりあてにならないときが多いのでは?という気がして、畑ではなるべく定量化できるもので比べながら仕事をしています。たとえば、環境に対する負荷にもつながる、施肥量の決定には土壌分析の結果を見て、それを反映した施肥を心がけるとか。病害虫防除は普段の観察と、専門家の話(岡目八目というか、自分の畑ばかり見ていると全体のことがわからなくなるので、その筋の話は聞く)から、20年前は総合防除といわれ、現在はIPMという管理手法になりましたが、そういう対応。こういういい方ではよくわかりませんよね。要は農薬だけに頼らない病害虫の管理(防除というと少し違う)。
私の相棒の業界では「evidence based medicine」(科学的根拠に基づく医療とでも訳すのでしょうか?相棒の仕事はmedicineでなくhealth careだろうな・・・)という言葉が好んで使われるそうで、さしずめ私たちの業界では「evidence based agriculture」というのが当てはまるかな。
野菜直売高梨農場農場通信ブログ版
"環境保全型の農業" サスケストアでは高梨さんの考え方をリスペクトし、”販売者”としての視点で皆様にお伝えしたいと思います。